中医学由来の健康豆知識をお届けしながら、中国語の文法や単語を合わせて勉強していく
中国養生文化シリーズ
第13回の今日は「肝胆を守る食べ物」です。
肝胆を守る食べ物

我々は「肝胆相照」とよく言いますが、
飲食においてこの2つの臓器は一緒に養生できます。
例えばニラは、
春に食べるのが一番良く、
ニラは春に食べるのがおいしいです。
春は陽気を保養する必要があります。
温の性質を持つニラは、
ヒトの陽気に最も適しており、
李時珍(明代の医薬学者)は、ニラは肝の野菜だと述べました。
また、ホウレンソウ、セリ、レタス、ブクリョウ粥、
サンザシハッカ茶、小豆とハトムギのお粥などは
皆、肝や胆を守る食べ物です。
【中国語原文】
hù gāndǎn de shíwù
护 肝胆 的 食物
wǒmen chángshuō gāndǎnxiāngzhào
我们 常说 肝胆相照,
yǐnshí shàng zhè liǎnggè zāngqì kěyǐ yīqǐ tiáolǐ de
饮食 上 这 两个 脏器 可以 一起 调理 的。
bǐrú jiǔcài
比如 韭菜,
chūntiān chī zuìhǎo
春天 吃 最好,
jiǔcài chūnshí zé xiāng
韭菜 春食 则 香。
chūntiān xūyào bǎoyǎng yángqì
春天 需要 保养 阳气,
jiǔcài xìng wēn
韭菜 性 温,
zuì yí réntǐ yángqì
最 宜 人体 阳气,
Lǐshízhēn chēng jiǔcài wéi gān zhī cài
李时珍 称 韭菜 为 肝 之 菜。
háiyǒu bōcài qíncài wōjù fúlíngfěn zhōu
还有 菠菜、芹菜、莴苣、茯苓粉 粥、
shānzhā héyè chá chìxiǎodòu yìmǐ zhōu děng
山楂 荷叶 茶、 赤小豆 薏米 粥 等,
dōushì hù gāndǎn de shíwù
都是 护 肝胆 的 食物。
中医や漢方の話題で引っ張りだこの“调理”
【気になる単語】
调理 tiáolǐ
1. 保養する
2. やりくりする.処理する
「調理」という漢字を見ると、日本語に引きづられて料理を作るイメージが湧いてきそうですが、中国語では主に中医にかかることや漢方薬を飲むことなどを総じて“调理”と言います。
中医で処方される漢方薬は、ある一定期間薬を飲み続けて、カラダを徐々に好ましい方向に調整していく過程を踏むので、こういう言い方をするのですね。
例えば、友人同士の会話で、


のような使い方をします。

中医関連の会話で私も使います
故事成語の理解・習得はコツコツと
【試験に出る表現】
肝胆相照 gāndǎnxiāngzhào
<成>肝胆相照らす仲
今日は故事成語の「肝胆相照」をピックアップしてみました。
レベルが高くなれば高くなるほど、試験での故事成語の出現率が上がります。
日常生活でよく使う故事成語は、最初はうまく話せなくてもいいので、少なくとも聴いて意味が解るようにしておきましょう。
いっぺんに覚えるのは大変なので少しづつ蓄積していくと良いと思います。
なお、肝胆相照らすとは、お互いが誠実な心で共同作業することを言います。
肝と胆は相(互いに)照(通じている)と覚えるといいですよ!

肝胆には「真心」とか「誠実な心」との意味もあります
ネイティブに近づける!?文語的表現
【更にレベルアップ!】
こういう表現ができたら素敵だな、ネイティブに近いなと思う箇所を2つ挙げてみました。
1.韭菜 春食 则 香。
jiǔcài chūnshí zé xiāng
2.李时珍 称 韭菜 为 肝 之 菜。
Lǐshízhēn chēng jiǔcài wéi gān zhī cài
上級レベルの方であれば、2の文章のような言い方にはだいぶ慣れていると思いますが、1にある“则”は、なかなかスッと出てこない言い方ではないでしょうか?
下線部の単語、皆さんは自然に使えますか?
私は読めば(聴けば)解りますが、作文しろと言われるとこう書けるか自信はないです。
肝臓にいい食べ物はたくさんあるので・・・
今日の本文では、肝・胆を守る食べ物としてニラなどが紹介されていました。

日本と同じく、中国にも○○にはあれがいい、これがいいと紹介されている健康情報サイトが無数にあり、特に肝臓に関してはこれが良いと紹介されている食べ物がありすぎて、正直何を選ぶのが適切なのかよくわかりません。
なので、今日は私から、肝胆の健康を守る為に注意すべきことについて紹介したいと思います。
- 食べ過ぎ、飲み過ぎ

お酒の飲みすぎは言わずもがなですが、普段の食事の食べ過ぎにも注意が必要です。暴飲暴食が続くと肝臓の代謝が追いつかず、肝臓疾患の原因になります。
- 薬に頼り過ぎ

体調が優れない時に飲むのは仕方ないことですが、頼り過ぎるのもよくありません。薬の飲みすぎによって解毒を司る肝臓がオーバーヒートして逆に肝臓を傷つけます。
- 気分の浮き沈み

当シリーズの第8回「肝の養生 春編」でも書いているのですが、中医では肝は目と繋がっており、怒りは肝を傷つけると考えられています。
不安定な情緒が肝の気を滞らせて、代謝に影響するのですね。
- 夜更かし
当シリーズの記事で何度か紹介している「十二时辰」、覚えていらっしゃいますか?

こちらの図でも判るとおり、子の刻(午後11時~午前1時)、丑の刻(午前1時~3時)は「胆」と「肝」の時間です。
午後11時までに就寝すると、肝の浄化・再生と胆汁の代謝に有効だと考えられています。
※上記は中国のサイト情報をまとめて筆者がリスト化したものです。
皆さまの日々の健康と中国語の勉強に「中国養生文化シリーズ」をどうぞご活用くださいね。