中医学由来の健康豆知識をお届けしながら、中国語の文法や単語を合わせて勉強していく
中国養生文化シリーズ
第15回の今日は「夏の熱中症予防」です。
夏の熱中症予防には

熱中症を防ぐためには、
楽観的な情緒を保ち、
せっかちになったり怒ったりせず、
心を落ち着けましょう。
飲食はあっさりしたものが良く、
脂っこいものは控えましょう。
水分をたくさん摂って体温を調節し、
血液の循環を良くしましょう。
部屋は換気して、
十分な睡眠を取りましょう。
うまくいかないことがあったら
冷静に処理して
悶々とした気持ちを取り払い、
良い気分を保ちましょう。
【中国語原文】
xiàjì fáng zhònshǔ
夏季 防 中暑
wèi fángzhǐ zhòngshǔ
为 防止 中暑,
yào bǎochí lèguān qíngxù
要 保持 乐观 情绪,
zhùyì jièzào jiènù
注意 戒躁 戒怒,
zuòdào xīnjìng
做到 心静;
yǐnshí yí qīngdàn
饮食 宜 清淡,
shǎochī yóunì shíwù
少吃 油腻 食物;
duō yǐnshuǐ yǐ tiáojié tǐwēn
多 饮水,以 调节 体温,
gǎishàn xuèyè xúnhuán
改善 血液 循环;
jūshì yào tōngfēng
居室 要 通风,
yào yǒu chōngfèn de shuìmián
要 有 充分 的 睡眠;
yùdào bù shùnxīn de shì
遇到 不 顺心 的 事,
yào lěngchǔlǐ
要 冷处理,
yǐ xiāochú kǔmèn
以 消除 苦闷,
wéihù liánghǎo de qíngxù
维护 良好 的 情绪。
“注意“に注意!?
【気になる単語】
注意 zhùyì
注意する.気を配る.気をつける.用心する
日本語とほぼ同じ意味を持つ単語ですが、中国語で「注意する」、「気をつける」という意味を表したい時、他の単語を使った方がより自然な場合があります。
例えば目の前に障害物があるときに「気をつけて!」と言いたい時は、“小心”、“当心”を使います。
ex)小心台阶! xiǎoxīn táijiē (段差に気をつけて!)
中国語で“注意”を使う組み合わせは
“注意身体”
や
“注意安全”
などです。このまま覚えてしまいましょう。

単語を覚える時は組み合わせで覚えると運用力が上がりますよ!
用途の多い「要」
【試験に出る表現】
要 yāo/yào
yāo
要求する.願う
一声のyāoはとりあえず「要求yāoqiú」を覚えておけば大丈夫です。
いろんな意味を持っていて難しいのは四声です。
yào
1. 要点.要.キーポイント
2. (~を)欲する、いる
3. もらう、請求する
4. ~したい.~するつもりだ
5. ~しなければならない.~する必要がある
6. (快/就)+要+動詞+了 もうすぐ~となる
たくさんの意味を持つ単語は、例文をたくさん音読して慣れていくのが遠回りなようで近道です。
普段の会話で出てきそうな表現をいくつか挙げますので、覚えて下さいね。
・我要一件衣服。 (私は服が1着欲しい)
・他刚才问我要资料。 (彼はさっき私に資料がもらえないか聞いてきた)
・他想要见见你。 (彼はあなたに会いたい(と言っている))
・我要走到车站。 (私はバス停まで歩くつもりだ)
・在中国,水果蔬菜一定要洗干净。(中国では果物野菜は必ずきれいに洗わなければならない)
・作业快要做完了。 (宿題をもうすぐやり終える)
単語を入れ替えてたくさん練習しましょう!
男女のもつれは「冷処理」で時を待つ!?
【更にレベルアップ!】
冷处理 lěngchǔlǐ
“冷处理”は人間関係や感情のもつれが起こった時の解消方法のことを言います。
本文では内容を見て普通に「冷静に処理する」と訳しました。
お互いの感情が高ぶって激しくぶつかるよりも、冷静になって理知的な判断をした方が良い結果がもたらされるのですね。
“冷处理”がよく使われるのは、恋愛関係にある男女の駆け引きにおいてです。
例えば相手の気をもっと引き付けるためにわざと連絡を取らずに冷淡な態度を取ることや、別れるか別れないかの段階にある男女がしばらく距離を置くことを“冷处理”と言います。

なお、似たような言い方に”冷暴力”があります。
こちらは文字どおり暴力の一種で、無視する、冷たい態度を取る、軽視する、疎遠にする、放棄するなどして相手に精神的な苦痛を与えるものです。
一見、“冷处理”と似た行動のように思えますが、“冷处理”が前向きに解決を試みる意思があるのに対し、”冷暴力”は相手を否定する意味が込められています。
“冷处理”と”冷暴力”の線引きについてはいろんな解釈がありますので、上級者の方はネット検索してみてください。
熱中症と感情の関わり
熱中症予防に関する内容だったので、何かほてりを抑える食べ物が紹介されるのかと思いきや、情緒を安定させることが提唱されていて、少し意外な印象を受けましたね。
気温が上がると情緒不安定になりやすいから、情緒を整えることが熱中症予防になるとの理解でいいんでしょうかね?

ちなみに、私が読んだ情報によると、人間の脳が一番クリアでパフォーマンスがよくなる気温は18℃~20℃の時だとのこと。
それより少し暖かい気温である20℃~22℃の時に人は最も心地が良いと感じますが、34℃になると食欲が落ち、過激な行動に出やすくなります。
35℃を超えると人間の脳は疲労を感じるようになり、40℃の状況では人間がある1つのことを続けられる時間は10分程度しかなくなるそうです。
熱中症のことを中国語で“中暑”と言いますが、発音は“zhòngshǔ”です。
“中”を四声で読みますので間違えないようにしましょう。
皆さまの日々の健康と中国語の勉強に【中国養生文化シリーズ】をどうぞご活用くださいね。