中国養生文化シリーズ

【中国養生文化シリーズ】 健康辞典その5 ~胃の養生 朝食編~

 

中医学由来の健康豆知識をお届けしながら、中国語の文法や単語を合わせて勉強していく

中国養生文化シリーズ

 

第5回の今日は「温かい朝食で胃の養生を」です。

朝食には温かいものを食べて胃の養生を

「消化器系の内傷は万病の元」

脾胃は五行で土に属します。

土から万物を生まれさせるには、

適した温度が必要です。

現在は多くの人が、朝起きた後に

水や野菜ジュースを飲んで便通を良くしようとしています。

人の気や血は熱で動き、寒さで固まります。

朝起きた時に冷たいものを口にすると、

体内の各システムが拘縮して、

血のめぐりが更に悪くなります。

したがって朝一番に口にするものは、

温かい食べ物であるべきなのです。

 

【中国語原文】

zǎocān yí chī wēnrè de shíwù yǎngwèi

早餐 宜 吃 温热 的 食物 养胃

 

nèishāng píwèi  bǎibìng yóu shēng  

“ 内伤 脾胃,百病 由 生”

píwèi zài wǔxíng zhōng shǔ tǔ  

脾胃 在 五行 中 属 土。

yào ràng tǔdì huàshēng wànwù  

要 让 土地 化生 万物,

jiù yīdìng yào yǒu shìyí de wēndù  

就 一定 要 有 适宜 的 温度。

xiànzài hěnduō rén xǐhuān zài qīngchén xǐnglái hòu

现在 很多 人 喜欢 在 清晨 醒来 后

yǐn báikāishuǐ yǐ qiú tōngbiàn huò hē shūcàizhī  

饮 白开水 以 求 通便,或 喝 蔬菜汁。

réntǐ qìxuè de rè zé xíng  yù hán zé níng  

人体 气血 的 热 则 行,遇 寒 则 凝,

chénqǐ shí chīhē lěng de shíwù  

晨起 时 吃喝 冷 的 食物,

bìdìng shì tǐnèi gègè xìtǒng gèngjiā luánsuō  

必定 是 体内 各个 系统 更加 挛缩,

xuèyè liútōng gèngjiā bú shùn  

血液 流通 更加 不 顺。

yīncǐ zǎoshàng dìyīkǒu shíwù  

因此 早上 第一口 食物,

yīnggāi shì wēnrè de shíwù  

应该 是 温热 的 食物。

 

どれくらい「必ず」「きっと」なの?

【気になる単語】

一定 yīdìng

1. 一定の.決まった

2. ある程度.適当な.程良い

3. 必ず.きっと.絶対に.さぞ(や)

4. 確かに.必ず.間違いなく

 

必定 bìdìng

必ず.きっと.間違いなく

 

どちらも確信度が高いことを表現する副詞ですが、若干の違いがあります。

 

“一定”は話し手の主観的な判断として「必ず」「きっと」の意味を表します。

一方の“必定”は必然性が強く、断定的に「必ず」「きっと」の意味を表します。

 

またこれとは別に、確信度が高いことを表す言葉に“肯定”があります。

 

肯定 kěndìng

1. 肯定(する).認める

2. 必ず.きっと.間違いなく.~に違いない

3. はっきりした.確かな

 

動詞、形容詞、副詞としての用法があります。

副詞としての“肯定”と“一定”を比べると、両者は「必ず」や「きっと」の度合いが異なります。

 

Ex) 今天我肯定回家。

Ex) 今天我一定回家。

どちらも「今日私はきっと(必ず)家に帰る」となりますが、“肯定”よりも“一定”の方が帰る確率が高いです。

“一定”は話し手の主観が強く入るため、「帰ることを約束している」、「帰ることを心に固く決めている」といったニュアンスがあります。

  

「則」は前後の流れで意味を判断

【試験に出る表現】

则 zé

1. きまり.規則.規定

2. 〈量詞〉条文などの項目を数える

3. (接続)(ある動作が終わるとすぐに別の動作が発生する場合)…すると.…すると共に.…するごとに 〈同〉就.便

4. (接続)その場合には

5. (接続)…であるがしかし

6. (接続)…ではあるけれど(しかし) 

 

いろいろな用法があり、奥の深い単語で、説明するのがとても難しいのですが、私が普段、何かの文書を訳すときは、この単語を特に訳そうとはせずに、順接なのか逆接なのかを判断して、文の流れを重視した訳語を付けています。

この単語を見つけたら、その前と後ろの成分をよく見て、文の切れ目、単語の切れ目に注意しながら意味を読み取りましょう。

 

“应该”と“该”と“应”

【更にレベルアップ!】

应该 yīnggāi

当然~すべきである.~せねばならない    

  

本文では“应该”と出てくるので解りやすいですが、時折、“应”が省略されて“该”だけで出てくることがあります。

“该”には様々な意味が存在します。

 

该 gāi

1. ~すべきである.当然~すべきである.~する必要がある

2. ~に~の順番がまわってくる.~が~する番だ

〈例〉下一个该你了=次は君の番だ

3. (経験から言って)~に決まっている.~のはずだ

4. 〈感嘆〉なんと~だろう.どんなに~だろう

〈例〉早点知道该多好=もう少し早く知っていればどんなに良かっただろう

5. この.その.当の.当該の.同~

6. かねる.含む.包括する

  

仕事で使う文書や日常生活でよく使う言葉なので、用法と共に、使えそうなフレーズは暗記して覚えましょう。

契約書などでは“应”が単独で出てきます。

その時は「~するものとする」と訳します。

  

養生における「冷やす」の意味

最近の中国では、食の多様化が進み、火の通っていないもの、冷たいものを食べる人が増えたと感じますが、中医学では、冷たいものはカラダの機能を滞らせると考えられています。

じゃあ、暑い日はどうするの?と思われると思いますが、養生文化から見ると、温度の低いもので熱を下げるのではなく、「寒性(陰)」の食品を摂取することでほてりを冷まします。

なので、夏の暑い日でも冷たいものの摂取には気をつけたいところです。

寒性水果
スイカやきゅうりは「涼」を取るのにぴったり

 

なお、本文に出てくる「脾胃」ですが、単に脾臓と胃のことを示しているのではなく、中医学では消化器系全体のことを指します。

胃で消化した飲食物の栄養分や水分を吸収し、各臓腑を経て、肺から全身に巡らせると考えます。

 

本文では、消化器系が傷つくと万病の元になると言っていますが、それはつまり冷えからくる消化器官の不具合は万病の元であるということです。

人間のカラダも植物と同じように生存に適した温度があり、その中でも適温以下の状態は、消化吸収を阻害する原因となるのですね。

  

私がオススメするのは起き抜けにお湯をコップ1杯飲むこと。

中国では”多喝水(お水をたくさん飲んで)”とよく言われます

  

お湯なら胃を傷つけることもありませんし、デトックスやダイエット効果も期待できます。

但し、必ず温かい「お湯」を飲みましょう。

 

気候、環境、文化、それぞれあると思いますが、ご自身の健康増進の参考になれば幸いです。

 

 

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