中医学由来の健康豆知識をお届けしながら、中国語の文法や単語を合わせて勉強していく
中国養生文化シリーズ
第6回の今日は「ナッツを食べて腎の養生を」です。
ナッツを食べて胃の養生を

脾は気を生み、腎は気を納めます。
午後5時から7時までは腎の経絡が「旬」を迎える時間です。
まず、晩ご飯は薄味であればあるほど良く、
腎に良い食べ物を多く摂取する必要があります。
主食に黒豆を加えると良く、
くるみ、松の実、栗などのナッツを食べるのも良いです。
ナッツ類は腎に栄養を与えるものですので、
皆さん、毎日晩ご飯の前に
ナッツ類を食べるといいですよ。
【中国語原文】
chī jiānguǒ bǔ shèn
吃 坚果 补 肾
pí shì chǎn qì de shèn shì nà qì de
脾 是 产 气 的,肾 是 纳 气 的,
Xiàwǔ 5diǎn dào 7diǎn zhèduàn shíjiān shènjīng dānglìng
下午 5点 到 7点 这段 时间,肾经 当令。
shǒuxiān wǎnfàn yuè qīngdàn yuè hǎo
首先,晚饭 越 清淡 越 好,
hái yào duōchī yīxiē duì shèn yǒu hǎochù de shíwù
还 要 多吃 一些 对 肾 有 好处 的 食物,
zhǔshí zhōng kěyǐ jiāshàng hēidòu
主食 中 可以 加上 黑豆;
hái kěyǐ chīxiē jiānguǒ bǐrúshuō hétáo sōngzǐ lìzi děng
还 可以 吃些 坚果,比如说 核桃、松子、栗子 等。
jiānguǒ lèi dōu shì bǔ shèn de
坚果 类 都 是 补 肾 的,
dàjiā kěyǐ měitiān chī wǎnfàn zhīqián
大家 可以 每天 吃 晚饭 之前,
chī yīxiē jiānguǒ lèi de dōngxi
吃 一些 坚果 类 的 东西。
多読語の組み合わせに敏感になろう
【気になる単語】
当令 dānglìng
その時期として合っている、その季節に適っている、旬である
パッと見てすぐに日本語が出てこない単語ではないかと思いピックアップしてみました。
普通の会話ではあまり聞かない気がしますが、新聞記事や本などを読んでいる時に、こういう言葉の意味を知っていると、文章がスムーズに読めますね。
ちなみに、この単語は「当+令」の組み合わせで「旬である」の意味になっています。
共に多読語です。ついでに覚えておきましょう。
当 dāng/dàng
dāng
- ふさわしい.つり合う.互角
- 当然~するべきだ.~して当然だ
- ~したとき.~が起こったとき(何かが起こった際の時と場所を表す)
- ~になる.担当する.受け持つ
- 責任を引き受ける
- ふさわしい.相当する
dàng
- ちょうどよい
- ~に当たる.~に相当する
- ~であると見なす.~であると思う
- ~ことにしておく
- ~と思いこむ
- ~が起こったとき
- 質に入れる
令 lìng/líng/lǐng
líng
地名や姓に用いる発音
lǐng
〈量詞〉印刷用紙を数える.連
lìng
- 命令
- 命ずる
- ~に~させる 〈例〉令人肃然起敬=思わず頭が下がる
- 時節.季節

令(lǐng)の量詞の意味、今回初めて知りました!
「可以」はいろんなニュアンスを持つ
【試験に出る表現】
可以 kěyǐ
(可能)~できる
(許可)~してもいい
~する価値がある.~すべきだ
まあまあだ.悪くない
試験に限らず、日常会話でも頻繁に使われる常用語です。
いろんな意味を含みますので、前後の文章を見て意味を判断します。
初級レベルで出てくる単語ですが、ニュアンスの判断が難しい時があり、上級者でもその意味の汲み取りに苦戦する単語です。
なんでしょう、これはもう場数、経験を踏んでいくしかないですかね?
これが聞こえたら、「とりあえずOKってことだな」と思っておけばいいですが、奥に潜む話者の真意はそうではないこともあります。
動詞+αができたら最高!
【更にレベルアップ!】
主食中可以加上黑豆
还要多吃一些对肾有好处的食物
吃些坚果
吃一些坚果类的东西
本文に出てきた文章をいくつか抜き出してみました。
黄色の下線部、皆さんは自然に口から出てくるでしょうか?
“加黑豆”ではなく、“加上黑豆”
「~を食べる」の表現も、この“一些”、“些”がうまく差し込めるかどうか?
これができるのとできないのとで、
中級or上級
普通に上手orネイティブ(並み)
が分かれてくるように思います。
外国人にとってはなかなか越えることの難しいハードルですが、たくさん読む(黙読、音読)ことで、語感を養っていきましょう!
いつ、何を養生するかが大事
中国医学に関する本を読んだり、動画を見ていて良く見聞きするのは、“时令”という言葉です。
中医では、いつ、何を養生するかが重視され、その「時」以外に養生しても意味がないと説かれています。
この「いつ、何」は、“十二时辰养生法“と呼ばれる養生理論で説明されていますが、解りやすい図を百度から拝借してきましたので、こちらに貼っておきます。

それぞれ、
▪ 子时:胆经当令
▪ 丑时:肝经当令
▪ 寅时:肺经当令
▪ 卯时:大肠经当令
▪ 辰时:胃经当令
▪ 巳时:脾经当令
▪ 午时:心经当令
▪ 未时:小肠经当令
▪ 申时:膀胱经当令
▪ 酉时:肾经当令
▪ 戌时:心包经当令
▪ 亥时:三焦经当令
です。
第3回の「心の平穏を保ちましょう」で少し触れていますが、中国には1日の時間を12の干支で表現する言い方があり、それを“十二时辰”と言います。
干支の順番に2時間づつカウントしていくのですが、今回の本文にある午後17~19時は酉の刻にあたり、上にあるとおり“肾经当令”の時間だということですね。
本文では腎に良い食べ物として黒豆とナッツ類が挙げられていましたが、その他黒ごま、黒米、クコの実、山芋も腎の養生に良いと言われています。
皆さまの日々の健康と中国語の勉強に「中国養生文化シリーズ」をどうぞご活用くださいね。