中医学由来の健康豆知識をお届けしながら、中国語の文法や単語を合わせて勉強していく
中国養生文化シリーズ
第12回の今日は「肝臓に良い食べ物 春編」です。
春に食べたい肝臓に良い食べ物

飲食について、
温性、辛性のある「陽」の食べ物をたくさん食べるべきです。
例えば、葱、生姜、ニンニク、ニラ、ワサビなどです。
研究によると、
ニンニクには強い殺菌作用があるのみならず、
新陳代謝を促進して食欲を増強させ、
動脈硬化や高血圧を予防し、
至っては脳に栄養を補う効果もあります。
葱には高い栄養価があると同時に
呼吸器系、消化器系の伝染病を防ぐことができます。
このほか、飲食において、
例えば、きゅうり、マコモ、レンコンなどの寒性食品は控えめして、
「陽」の発生を妨げないようにしましょう。
【中国語原文】
chūnjì yǎnggān shíwù
春季 养肝 食物
zài yǐnshí fāngmiàn
在 饮食 方面,
yīng duō chī xiē wēnbǔyángqì de shíwù
应 多 吃 些 温补阳气 的 食物,
rú cōng jiāng suàn jiǔcài jièmò děng
如:葱 姜 蒜 韭菜 芥末 等。
yánjiū biǎomíng
研究 表明,
dàsuàn bùjǐn yǒu hěnqiáng de shājūn zuòyòng
大蒜 不仅 有 很强 的 杀菌 作用,
hái néng cùjìn xīnchéndàixiè zēngqiáng shíyù
还 能 促进 新陈代谢,增强 食欲,
yùfáng dòngmàiyìnghuà hé gāoxuèyā
预防 动脉硬化 和 高血压,
shènzhì hái yǒu bǔnǎo de gōngxiào
甚至 还有 补脑 的 功效。
dàcōng yǒu hěngāo de yíngyǎng jiàzhí
大葱 有 很高 的 营养 价值,
tóngshí hái kě yùfáng hūxīdào chángdào chuánrǎnbìng
同时 还 可 预防 呼吸道、肠道 传染病。
cǐwài yǐnshí zhōng yīng shǎo chī xìnghán shípǐn
此外,饮食 中 应 少 吃 性寒 食品,
rú huángguā jiāobái liánǒu děng
如:黄瓜、茭白、莲藕 等,
yǐmiǎn zǔzhǐ yángqì shēngfā
以免 阻止 阳气 生发。
中華料理に欠かせない香辛食材のご紹介
【気になる単語】
今日の本文では中華料理に欠かせない食材がいくつか出てきていますので、写真と共にご紹介します。
葱姜蒜

中華でお馴染みの葱、生姜、ニンニクです。
中国では日本で売られているようなチューブタイプのものがないので、基本的に、生の野菜を買ってきて自分で刻んで使います。(ジンジャーパウダー、にんにくパウダーはあります)
料理が好きな人や使う量が多い家庭では、フードプロセッサーで大量に作り、みじん切りを常備させています。
大葱

“青葱”とも言いますが、日本で言う青ネギ、白ネギのことです。
ぶつ切りにしてスープを煮込む時に使ったり、斜め切りにしてお肉と炒めたりします。
北京ダックは白ネギの細切りを添えて頂きますね。
韭菜

ニラです。
中国ではニラを使った料理が大変多いです。ニオイが気になる食材ですが、ネギと同じく栄養価の高いお野菜です。
芥末
ワサビです。
中国ではお刺身の醤油に合わせる他に、キクラゲの和物やエビマヨのマヨネーズの中に少量混ぜて風味を加える使い方をします。

黄瓜

キュウリです。
中国のキュウリは日本よりも大ぶりでトゲがたくさんあります。
代表的な寒性野菜の1つで、夏場には水分補給がてらキュウリの丸かじりで涼を取る人も少なくありません。
茭白

日本語ではマコモというのですね。私は中国に来るまで知らない野菜でした。
タケノコを扱うような感じで緑色の部分を剥き、中の白い部分をスライスしたり、千切りにして炒め物に使います。

我が家では結構登場回数の多い野菜です。
莲藕

レンコンです。
前菜、炒め物、スープの具材など、用途は多いです。
最初は「レンコンが甘い」というのに慣れなくて抵抗があったこちらのお料理↓

上海で前菜によく出てくる“糯米莲藕”です(呼び方は他にもたくさんあります)。
マコモもレンコンも寒性の食品なので多食は禁物です。
自分のカラダの状態を見て、他の食品と共にバランスを取りながら食べるといいですよ。
頻出表現の”不仅~而且(还)~”「~のみならず、~である」
【試験に出る表現】
不仅 bùjǐn
- ~であるだけでなく、~にとどまらない 〈副〉
〈同〉不止
2. ~ばかりでなく 〈接〉
〈同〉不但
副詞としての用法と接続詞としての用法があります。”不仅仅(bùjǐnjǐn)“ということもあります。
後ろに“还”、“也”、“而且”、“并且”と呼応させて使い、「~のみならず、~である」という意味を表します。
口語でも文語でもよく出てくる表現なので、同義語も含めて覚えておきましょう。
是非とも使いこなしたい“还”
【更にレベルアップ!】
还 hái/huán
hái 〈副〉
1. まだ.やはり.なお.依然として.いまでも
2. もっと.なお.更に.加えて.その上
3. まあまあ.まずまず.まし.割に
4. (時間がまだ早い)まだ
5. (数量が足りない)まだ
6. ~でさえ(~なのに)
7. 〈感嘆〉意外な気持ちを表す
8. (名実伴わないことをあざける)それでも(~と言えるのか)
9. (反問)それなのに.それでも
huán 〈動〉
1. 帰る
2. もとの状態に戻す
3. 返却する.返済する.返す
2つの読み方があり、háiは副詞、huánは動詞です。
【試験に出る表現】でも紹介していますが、本文では“不仅”と呼応させて「更に、その上」という意味で使われています。
言葉の持つ意味が多様な分、使えるシチュエーションも多いです。
細かなニュアンスが伝えられる便利な単語なので、たくさん音読練習して使い方に慣れましょう。
陰陽のバランスで体調を整えよう
今日の本文では春における肝臓の養生として「陽(温性)」の食品を多めに摂取することが推奨されていました。
養生の本などでは食品の陰陽がとても重視されていますが、それと同時にご自身のカラダの陰陽についても注意しておきたいですね。
例えば、口の中が乾燥気味、興奮しやすい、手足が温かい人は陽体質だと判断できるので、寒性食品を多めに摂取しても体調が崩れることは少ないでしょう。
一方で、寡黙なタイプ、気力がなく倦怠感がある人や、むくんでいたり、手足が冷えている人は陰体質だと言えるので、本文に書かれているとおり、温性、辛味のある食品を食べるように心がけることが大事です。
何事もバランスですね。
皆さまの日々の健康と中国語の勉強に「中国養生文化シリーズ」をどうぞご活用くださいね。