こんにちは、しゃんはいさくらです。
今日は私が中国語に興味を持ってから通訳になるまでの経歴の紹介として、前回の続きを書いていきます。
このコラムを通じて、皆さまがご自身に適した勉強方法を見つけて下さると嬉しいです。
※前回記事はこちら↓
留学はそれなりの準備と覚悟で
留学先はガイドブックを頼りに学費と留学生寮の条件を見て決めました。
今思えば、もう少し奮発して大学院に進むなどすれば再就職するときに有利だったかも知れませんが、既に30歳に近かったので、とりあえず短期間で中国語をマスターすることに集中しました。
社会人留学は限られた時間でどれほどのパフォーマンスが出せるかがとても大事になってきます。
もしこれが、大学在学中とか大学を卒業したばかりとかであれば、時間的な余裕があるので本科に進むとか大学院に行くとかいろんな選択ができたと思うんですが、私は社会人留学でしたので、年齢を考慮しての行動となりました。
留学は金銭的な条件や周辺環境に左右されやすいですが、私の場合は行こうと思った矢先にSARSが流行ってしまい、留学する時期を後ろ倒しにすることになりました。
これが良かったのか悪かったのかは判断できませんが、右往左往しながらも最終的には自分が希望していた通訳という仕事に就けたので、「終わりよければすべてよし」と思うことにしています。
コロナウイルスの蔓延で留学計画が大きく狂ってしまった人も少なくないと思うのですが、長い人生を考えたらある程度の年齢以降に社会人留学する場合でも、2~3年くらいの後ろ倒しならまだ挽回可能かなと思います。
是非自分の夢を諦めず、前に進む道を模索して頂きたいと思います。
なお、留学を考える時には、希望する大学の留学生の出身国、年齢構成をよく吟味した方がいいと思います。
なぜかというと、私が選択した学校の特徴に「60歳以上の学生受け入れOK」というのがありまして、これが後々ネックとなったからです。
私の留学先の大まかな構成は、
韓国人大学生+日本人リタイア組(戦中に満州経験あり)+日本人社会人留学生
でした。
年配の方の悪口はあまり書きたくありませんが、やっぱり世代の違いというか、イラっとすることがちょくちょくあったので、そういうのが苦手な人は注意した方がいいかなと。
また、規模の大きな大学であれば留学生の人数的に学生同士の交流が楽しかっただろうなとも思いますね。

次に書きますが、私の場合、留学中はほぼ勉強しかしておらず、生活を満喫したり、どこかに出かけたりすることなく留学を終えてしまって、ちょっと心残りもあるのです。。。
留学は実際にそこで生活が始まらないと判らないことがたくさんありますが、新聞を読んだり、ネットニュースを読んだり、経験者のブログを読んだりして、ある程度の情報武装はしておいた方がいいと思います。
一日8時間勉強!
さて、上で書いたとおり、私の留学先は留学生構成がとても偏っていたため、お友達を作るとかいろんな国の人と交流するとか、そういうことは一切シャットダウンすることにしました。
皆が1年~2年の長期留学なのに、私は3ヶ月の短期勝負。
中国語学科を卒業しているとは言え、当時の私は「中国語が話せない、使えない」人だったので、長期の人たちと一緒に遊んでたらダメだと思って、お風呂、食事、睡眠以外はほぼ勉強という生活をしました。
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今振り返るとちょっとキモくも思えますが(笑)、それくらい人生の中で一番勉強しました。
でもこれがあったからこそ、今の職業に就けているし、中国語に対する自信が付いたような気がします。
あの時にとことんやったから、中途半端で終わらなかったんだろうなと。
後々、「Keep up !中国語」の中で私の勉強法をご紹介したいと思いますが、語学の勉強は予習に時間をかけるのがオススメです。
時間配分は、予習>授業となるようにして、7:3くらいの割合にするのが良いです。
例えば授業が60分なら、予習には140分かけるイメージです。
予習にたくさんの時間がかけられれば、解らない箇所がわりと明確になるので、授業で先生にも質問しやすく、とても効率的です。
学生にしろ、社会人にしろ、普段の生活が忙しくて語学の勉強に時間を割くのは難しいとは思いますが、チラッと新出単語を調べただけで授業に参加するのと、きちんと教科書を読み込み、自分が理解できていないところが明確な状態で授業に参加するのとでは、授業の効果に大きな差が出てくるのは、十分に想像できますよね。
教科書の内容をとことん予習して授業を受け、更に宿題をこなして復習するやり方、私にとってはかなり効果的だったので、是非皆さんにもお試し頂きたいと思います。
特に留学生は社会人よりも勉強に割ける時間が多いはずなので、予習は絶対にしっかりやって授業に出て下さいね!!
自分のレベルよりもちょい下で勉強してみる
さて、留学生活が始まり、初日にクラス分け面接がありました。
先生と1対1で雑談しながら初級、中級、高級を分け、更に人数とレベルに応じて初級一、二などとクラス分けがなされました。
前の回で高校時代に教えてもらった先生が発音にとても厳しい方だったと書きましたが、そのおかげもあって、私はいつも発音が良い、中国語が上手だと褒められてたんですね。
でもそれは裏を返すと、本当は大して話せないのに、発音が良いので上手に聞こえてしまう、この人は話せる人だと勘違いされてしまうということでもあり、クラス分け面接ではそれが裏目に出てしまったのでした。
えぇ、「アナタ、チュウゴクゴジョウズデスネ、コウキュウクラスデスネ」と高級クラスに振り分けられてしまったのです。
大学卒業時の旧HSKで6級しか持ってないのに、高級クラスですよ。高級って9~11級のことですよ!
でも、先生が判断して振り分けてくれたものなので、断ることもできず(拒否できると知らず)、とりあえず高級の教科書を揃えて授業に出てみることにしました。
高級クラスは人数がとても少なくて、韓国人の子が3人と日本人が3人で、日本人はリタイア組のおじちゃんと私と、あまり出席率の良くない日本人の男の人というメンバー。
私にとっては気軽に相談したりできる相手がいなかった上に、授業の進むスピードが早くて、着いていくのが大変でした。人が少ないからバンバン当てられるので、休む暇もなく、授業が終わると心身共にグッタリ。
また、この時は予習>授業のスタイルがまだ築けていない頃だったこと、教科書の内容が難し過ぎて予習しても解らないことだらけ、先生の話すスピードが早すぎて言っていることが解らない、リタイア組のおじちゃんがなぜか授業を仕切るという、私にとっては負の要素が強い状態が続いたこともあって、勉強してても全然面白くありませんでした。
悶々とした時間を過ごす中、その後しばらく経って中級クラスで勉強している同い年の日本人長期留学生と知り合う機会があり、長期の子なら何か教えてもらえるかなーと思って相談してみました。
そしたら彼女、
「だったらクラス変えればいいじゃん」
と一言。
クラスを変えていいことすら知らなかった私にとって、これはかなり衝撃的で画期的なアドバイスでした。
その後、言われたとおり、先生にお願いして中級班に変えてもらい、相談した日本人留学生の子と同じクラスになりました。
これは本当に良い選択でした。
中級3班の文法の先生がこれまで出会った中国語の先生の中で1、2を争う素晴らしい先生だったことも運が良かったですが、何よりも自分が理解しやすいレベルに落とすことで、目の前にある教科書の内容をマスターすることに集中できたのが良かったです。
あのまま高級クラスを続けていたら、途中で着いていけなくなり、何も解らないまま留学生活を終えていたかも知れません。
なので、もし語学の勉強をしていて難し過ぎると感じたり、伸び悩みを感じていたら、一旦そのテキストを手放して、1つ前のテキストに戻ってみるなど、レベルをワンランク落としてみることをオススメします。
また、自分に合わない先生やレベルのクラスに入ってしまった場合は、他のクラスの様子を観察しながらクラス替えを考慮しましょう。
せっかくお金を払って勉強しているのですから、時間を有効に使いたいですよね。
特に中国の場合は、途中のクラス替えについては比較的柔軟に対応してもらえるように思います。誰かに相談しながら客観的に判断すると良いですよ♪
バランスに注目して勉強する
その後、勉強スタイルが確立されて予習に重点を置いてしっかりと基礎を築いたのは良かったのですが、一方で欠点もありました。
書面の勉強に集中しすぎて街に出ることが少なかったので、街ゆく人の話すことがあまり理解できなかったのです。
教科書の内容であれば聞けるのですが、事の背景が解らない、事前知識がない内容だと、相手の言っていることが全く解らない。
今思えば、もっと街や公園に出て、中国人ウォッチング&話している会話のヒアリングをすべきでしたね。

一応、相互学習を3人くらいとやってたんですけど、3ヶ月の短期留学ではちょっと時間が短かったかも知れません。
あと、中央電視台のニュースは毎日見るようにはしてたんですが、初級・中級レベルの人にとっては早すぎてついていけないし、正直言ってあまり生活の役には立ちません。。。
語学は「目耳手口」のバランスがとても大事なので、それを養う為にも理解できるスピード&内容のものをもっとたくさん反復練習すれば良かったです。
結局留学の最後に受けたHSKでは、ヒアリングの点数が足りずに7級留まりでした。バランスが取れていないことが露呈されましたね。。。
次回、引き続き通訳になるまでの私の歩みについて書いていきます。